読書メモ

札幌在住の26歳。一応公認会計士。ほぼ読書記録ブログと化してます。比較的なんでも読みますが、一番好きなジャンルは推理小説。

渡辺優「自由なサメと人間たちの夢」(集英社)を読みました。

2月も終わりに近づいてきていますが、久しぶりの投稿です。

 

上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズや和田竜さんの「村上海賊の娘」などの冊数の多いシリーズものを読んでおりまして、今更書くのもなぁと思いながらなんとなく更新が滞ってました。

 

さて、今回は渡辺優さんの「自由なサメと人間たちの夢」(集英社)を読みました。

 

 

自由なサメと人間たちの夢

自由なサメと人間たちの夢

 

 (以下Amazon 内容紹介より引用)

クズばっかりの世界に差し込む、ひとすじの光――。痛快な毒気をはらんだ物語センスが炸裂! 2015年に小説すばる新人賞を受賞した注目作家の、受賞後第一作。自殺未遂を繰り返す女が、入院先の病院で決意する最後の日の顛末とは?―「ラスト・デイ」。冴えない男が事故で手を切断。新型の義手で人生を一発逆転する力を手に入れ―「ロボット・アーム」。メンヘラ気味のキャバ嬢のたったひとつの生きがいは、サメを飼うことだった―「サメの話」。新感覚フィクション、怒涛の全7編。

 

渡辺優さんは、「ラメルノエリキサ」で第28回小説すばる新人賞を受賞した作家で、その受賞後第一作の短編集です。

実はまだ「ラメルノエリキサ」は読んでいないのですが(現在注文中です)、今後もこの作家の作品は買っていこうかな、と思えるような作品でした。

 

ラメルノエリキサ (集英社文芸単行本)

ラメルノエリキサ (集英社文芸単行本)

 

 

 

7つの短編は、自殺未遂、精神病棟、幻肢痛、義手、明晰夢、夢の中の絵、哲学的ゾンビ、いじめ、夢、サメ...。少しSFチックであったり、人に話すには少し後ろめたくなったりするようなキーワードがテーマで繰り広げられます。

 

ただ前に「伊藤計劃トリビュート2」でのぼくのりりっくのぼうよみなどで触れたような完全なるSF世界でのディストピアが描かれているといったようなものではありません。

 

masahirom0504.hatenablog.com

 

限りなく現実に近い世界で、死にたがりだったり何のために生きているのかわからないけどなんとなく働いていたりする割と一般的な主人公が、希望を見出してハッピーエンドとも死んでしまってバッドエンドともつかない物語がつづられている、そんな感じがします。

 

等身大のフィクション、っていうんでしょうか。

 

自分で小説をしたためておきながら、ハッピーエンドになるかどうかなんて知ったこっちゃないよ、そんなの小説の中の登場人物たちに聞いてみなよ、と言っているような文章にも主人公に対しても毒気をはらんだ文章や展開、突き放す優しさみたいなのがあるような気がしました。

 

僕が好きな漫画家の冬目景さんの作品「空中庭園の人々」の小説版といっても近いかもしれません。

 

冬目景作品集 空中庭園の人々 (バーズコミックス)
 

 

限りなく現実に近い世界で、非現実的な物語が淡々と浮かび上がっては消えていくような、こちらもそんな作品になっています。

 

おととしは深緑野分さんの「オーブランの少女」「戦場のコックたち」、昨年は一色さゆりさんの「神の値段」という新しい作品に出合いました。

2017年はまだ始まって2月ですが、この渡辺優さんの「自由なサメと人間たちの夢」2017年の中で一番好きな作品になりました。装丁を見て手に取ったというところもあって、素敵な出合いに感謝して、終わりにします。ではまた。

 

 

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