読書ノート

札幌在住の26歳。読書が好きで読書感想ブログをちまちま書いています。特に推理小説が好きですが、どんなジャンルの本でも読むように心がけています。おすすめの本は通年募集中です。

ジョエル・ディケール「ハリー・クバート事件」(創元推理文庫)を読みました。

こんにちは。

試験が終わり、本を読む時間がゆっくりとれるようになりました。

 

 

今回読んだのは、ジョエル・ディケール著「ハリー・クバート事件」(創元推理文庫)。

 

ハリー・クバート事件〈上〉 (創元推理文庫)

ハリー・クバート事件〈上〉 (創元推理文庫)

 

(以下Amazon「内容紹介」より引用) 

デビュー作が大ヒットして一躍ベストセラー作家となった新人マーカスは第二作の執筆に行き詰まっていた。そんな時、頼りにしていた大学の恩師で国民的作家のハリー・クバートが、少女殺害事件の容疑者となる。33年前に失踪した美少女ノラの白骨死体が彼の家の庭から発見されたのだ! マーカスは、師の無実を証明すべく事件について調べ始める。全ヨーロッパで200万部のメガセラーとなったスイス人作家ディケールのミステリ登場。

 

40か国以上で翻訳がなされており、日本でもこのミステリーがすごい!2015年版の海外編第6位となっている。(ジョエル・ディケールはミステリ作家ではないようである)ちなみにその年の海外編第1位はピエール・ルメートル著「その女アレックス」で、両者ともフランス語作家であり、橘明美氏が翻訳している。

 

その女アレックス (文春文庫)

その女アレックス (文春文庫)

 

 

 

「ハリー・クバート事件」は小説家が小説に隠された真実を追究する小説を書くという小説、という入れ子のような構造になっているが、構造の複雑さを感じさせないほど読みやすい。

もちろん本格ミステリー小説であり、平易な文章は著者と訳者の努力の賜物なのだと思っている。事実、フランスの有名な文学賞であるアカデミー・フランセーズ賞を受賞している一方で、フランスの高校生が選ぶ高校生のゴンクール賞も受賞していることからも、本格的であり、かつ読みやすい作品であることが伺える。

 

 

今回僕が読んだ文庫本の帯には「全世界のミステリファンを睡眠不足にした傑作」と書かれていたが、まさにその通りだった。

もちろん、上下巻で合わせて1,000ページ、そう簡単に一気読みできるものではないし、僕はすぐ眠くなるほうだ。読み始めたのは午後11時頃。海外と日本で評価が二分しているファイナルファンタジー15のプレイを中断してから読み始めたせいもあって、僕もまた例外なくページのめくる音で朝を迎える。読み終えたのは明け方の4時ごろのこと。僕にとっては、古川日出夫著「アラビアの夜の種族」以来の一気読みであった。

 

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

 

 

 こんなに引っ掻き回されるものか! というぐらいのどんでん返しにつぐどんでん返し、途中で拡げに拡げた伏線をことごとく回収していく怒涛の展開に脱帽。各章のタイトルNo.のカウントダウン(小説作法31条)もまた内容とリンクし、クライマックスへの疾走感に拍車をかけている。

 そしてこの小説の中に登場する小説「悪の起源」は恋愛小説。ミステリ小説を通じて、恋愛小説の一部を覗くことができるのも面白い。

 

もうまもなく正月休みの人も多いでしょう。”寝る間も惜しんで”読んでみては、いかがでしょうか。

 

 

 

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一人暮らしの限界蔵書数について考えてみた

雪まつりが間もなく終わりますが、見には行かずお家でぬくぬくと北村薫さんの本を読んでいる道民です。
こんにちは。

最近、デジタルの時代に逆行するように、紙の本が急激に増加しています。
ほとんど文庫の小説。
創元推理文庫とかがおおいです。

そして急に床が抜けたりしないのだろうかと不安に思ったので
本どのくらい積むと床が抜けるのかしらべてみました。

「耐荷重」という指標があるようで
木造建物の耐荷重が180kg/㎡
鉄筋建物の耐荷重が300kg/㎡ぐらいが耐えられる目安とのこと。
私の家は鉄筋なので300kg/㎡で考えてみます。
また小説(文庫)は160g、10.5cm×14.8cm×1.5cmで考えます。

文庫本160g/冊なので
300,000 ÷ 160 = 1,875
と、鉄筋だと1㎡あたり1,875冊が床が耐えられる目安となりました。
以外と少ないですかね?

1冊あたり0.01554㎡なので、1,875冊は29.1375㎡です。
厚さ1.5cmなので、高さ43cm分1㎡にしきつめるとアウトとの計算結果。

しかも、今の計算は1㎡に均等に加重している計算なので、
細い本棚とかにいれると余計に荷重がかかりやすくなるということになります。

0.5㎡の本棚に文庫本を詰め込むとすると半分の21.5cm分の本を本棚に入れた段階で同じ荷重となりますので、すなわち938冊でアウトとなります。

これ450冊入る横幅1m×奥行25cmの本棚を2つ設置するということに近しいので、
現実的にありえそうな感じですね。

家の本棚は横幅が80cmなので
938 ÷ 2 ×80/100 = 376冊 のところに
350冊はいってました。

ギリギリですね(笑)
本棚の上のスペースにも本を積もうかと思いましたが、どうやらやめたほうがよさそうです。

今度は一人暮らしの限界蔵書数について考えてみます。
一人暮らしの部屋には何冊程度の文庫が置けるのでしょうか。
お風呂場などを除いて、30㎡でかんがえると、1,875冊/㎡なので
56,250冊でしょうか。

一人暮らしのかたは56,250冊まで保有できるので、まだまだ本が読めそうですね。
ただ、いつ何時も43cm嵩増しされた部屋で寝食をすることにはなるのですが。



余談ですが、井上ひさしさんは22万冊の蔵書があったみたいです。
ひょえー。
仮にすべて文庫本とした場合、117㎡に本を敷き詰めてギリギリ耐荷重を超えないこととなりますので
生活空間とは別に蔵書のために3LDK程もしくは以上の広さが必要となるという計算となりました。
すごいですね!



もし計算違いがあれば教えてください(^ ^)

ではでは。